Building Blocks方式を用いたReliable Multicastの実装と評価

米山 清二郎 (9951131)


現在のマルチキャスト通信はUDPに基づいており、信頼性のあるデータ通信は提供していない。そのため、マルチキャスト通信の信頼性を高めるために、他のプロトコルが多数提案されている。しかし、マルチキャスト通信を必要とするアプリケーションからの要求は様々であり、単一のプロトコルで全てのアプリケーションからの要求に対応することは困難である。また、現在のように物理的に巨大化したネットワークでは、受信者の多いマルチキャスト通信はネットワーク輻輳を引き起こす可能性が懸念されている。そこで、IETFのRMT (Reliable Multicast Transport) WGでは、Reliable Multicast (高信頼性マルチキャスト通信) の実現手法として、Building Blocks方式を採用した。

本研究では、Building Blocks方式の基礎となるFEC (Foward Error Correction) とPGM (Pragmatic General Multicast) をIP version 6上で実装し、これらを組み合わせてIPマルチキャストプロトコルに適用し、Reliable Multicastを実装し、評価した。その結果、Reliable Multicastを実現する手法として、RMT WGで採用されているBuilding Blocks方式の有効性を確認した。