題目 生物学実験支援のための視線インタフェースの提案と評価

名前 松矢明宏(9951105)


生物学実験は,数ページに及ぶ実験手順書(プロトコール)に基づき実験が進め
られる.しかし,経験の浅い初心者は頻繁に失敗を犯す.その理由は,
(P1) 実験中,実験者はクリーンペンチと呼ばれる作業台に手を拘束されるため,
手順書を参照することができない.
(P2) 臓器の摘出など,手順書の記述を読んだだけで,初心者が理解するには,
困難な作業がある.

本研究では初
心者の生物学実験の支援を目的として,手順書及び手順書の理解を補助する資
料を計算機上にファイルとして実現し,実験中に自由に閲覧できるインタフェー
スを提案する.具体的には(1)アイカメラ(視線)とフットペダル(足)
を用いることで,手を使わずに計算機上の手順書のページ切り替えなどの操作
を行なうことができる.(2) ファイル化された手順書の各ページでは,ペー
ジの内容を補足する動画を提供する.文章のみの説明では理解が困難だった作
業の理解を補助することができる.

「鯵(アジ)の解剖実験」を対象として,提案インタフェースの
評価実験を行なったところ,提案インタフェースを用いた場合,解剖実験中に
実験者が犯す誤りの数が減少することがわかった.
また被験者に対するアンケートの結果,ファイル化された手順書中の動画は
手順書の内容の理解に役立つことがわかった.