コーディネーター役の介入に着目した三者対話の分析とそのモデル化

西森 崇(9951089)


本研究では、2人の話者が旅行の行き先を決定する状況を例にして、進行役(コー ディネーター)が対話に参加するときのその介入を分析し、その結果から対話介 入モデルを提案する。

知人や友人など集まり、ある一つの目的を持って話し合い、一つの結論を出すと いう状況は、日常においてよく遭遇する状況である。そういった状況において、 なかなか皆が思うような結論にまとまらないこともよくある。このような状況で は、対話にコーディネーターが参加することにより、より効率的に問題解決を進 めることができると考えられる。一般にコーディネーターは、話者からの質問に 応じるだけでなく、状況に応じて自発的に対話に参入することにより、対話を効 率的に進めるという役割を担う。

本研究では、このコーディネーターが話者どうしの対話のどういうタイミングで 介入し、どういう状況でどのような介入をするのかを調べる。そしてその分析結 果に基づき、コーディネーターの対話への介入モデルを提案する。

そのために本研究では、コーディネーター役を含む3人での対話を収録し、音声 を文字に書き起こした上でタグ付けを行って得られた対話コーパスを用いて介入 状況を分析し、介入タイミングをモデル化した。