本発表では,一般のオフィス環境における遠隔操作のためのジェスチャ認識の自動化を目的として,任意の位置からの繰り返しパターンを持つジェスチャを認識する手法を提案し,実際の環境で行った実験について報告する.
従来のジェスチャ認識では,計算量の問題で実時間認識に不向きだったり,あらかじめ設定された位置からのジェスチャしか認識しなかったり,一人のジェスチャにしか対応しないものが多い.
提案手法では,一定の運動を繰り返す動作をジェスチャと仮定し,時間差分画像の重ね合わせから動作領域を抽出し,抽出領域を3×3の9領域に分割する.そして,時間差分から得られるその動作の動きの情報を用いて,9個の分割領域間の特徴量の類似性を相互相関係数により求め,ジェスチャの認識を行う.実際のオフィス環境において4箇所の異なる位置から6種類のジェスチャを行ったデータを用い,評価用のデータについて80%以上の認識率を得ることができた.