コードサイズを縮小する組込み向けプロセッサと目的コードの協調生成

中野 猛 (9951082)


メモリ容量制限の厳しい組込み機器を対象にして,本論文では入力されたプログラムの目的コードのサイズを最小化するように命令セットを組み替えるカスタムマイクロプロセッサを自動生成し,同時に自動生成されたカスタムプロセッサ上で動作する目的コードを生成する,プロセッサ/目的コードコジェネレータPinkPantherを実装する. 提案方式は頻出命令列をより短い複合命令に変換することでコードサイズの縮小を図る. コードサイズ縮小の効果はどのような命令列をまとめて複合命令にするかに依存しているため,遺伝的アルゴリズムを用いて,複合命令にするべき命令列の最適選択を行う手法について提案・評価する. 複合命令の処理方式は,回路を合成し直接処理する方式と,元の命令列に辞書を用いて復元して実行する方式を考える. 後者では辞書のサイズが問題となるが,本論文ではオンチップメモリ型プロセッサを対象とした辞書サイズを抑える実現方式も検討する. PinkPantherを用いて実際のプログラムを圧縮した結果,プログラムから得られる目的コードのサイズが32\%縮小されることが確認された.