ソフトウェア機能の学習支援を目的とした有用機能候補の提示

白石 裕美 (9951055)


筆者の研究グループでは,似通った目的で ソフトウェアを使用しているユーザ間でソ フトウェア機能を相互参照する方式CLAS (Community-based Learning for Application Software) を提案し,その有効性を確かめている. CLASでは,複数のユーザから収集し た機能実行履歴と自身の履歴を比較するこ とにより,ユーザは未知であった機能を発 見でき,必要に応じて学習できる.しかし, 他ユーザと自身の履歴を比較する際の効果 的な提示方式については,明らかではなか った.機能実行履歴を長期に渡り収集する と履歴に含まれる機能の種類数は増加し, その中から有用な機能を探す時間やコスト が大きくなるためである.

本発表では,ユーザが短時間で有用機能を 発見する支援を目的とし,機能実行履歴に 含まれる有用機能の候補を提示する方式を 提案する.提案方式は,ユーザへ提示する 情報量を削減し,かつ,有用機能をなるべ く多く含むよう次のような特徴を持つ.提 示する各機能に対する付加情報を他ユーザ による実行率だけに限定する.提示機能数 自体を小さくするために,履歴参照ユーザ 自身が数回以上実行した機能はそのユーザ にとって既知の機能とみなし提示しない. ここで,他ユーザによる実行率は,その機 能を実行したことのあるユーザの割合であ る.

また,ユーザの属性に応じて異なる有用機 能候補の一覧を提示することにより,少な い候補の中から有用な機能を短時間で探し 出すことを支援できる.具体的には,他ユ ーザによる実行率により機能を分類する. 既知の機能数が小さいユーザには,実行率 が大きい機能(実行率上位機能)を提示し, 既知の機能数が大きいユーザには,実行率 が小さい機能(実行率下位機能)を提示す る.機能名だけからでは,有用機能を判断 することが容易ではない既知機能数が小さ いユーザには,多くのユーザが実行してい る機能を提示することができ,誤った学習 誘導を防ぐことができる.機能名から有用機能を判 断することが比較的容易である既知機能数 が大きいユーザには,発見されにくい有用 機能が提示できる.