単眼動画像からのマーカと自然特徴点の自動追跡による三次元復元

佐藤 智和 (9951049)


動画像からの三次元復元は, 物体認識, ロボットナビゲーション, 複合現実感など, 様々な分野への応用が可能である. しかし, 特徴点の出現や消失がおこる動画像や, 長時間撮影された動画像からの三次元復元は従来, 精度や計算量の点で問題があった. そこで本論文では, 三元位置関係と色・形状が既知の複数個の基準マーカを利用し, 基準マーカと自然特徴点を画像上で自動追跡することによって, 高速に精度良く三次元復元を行う手法を提案する. 提案手法では, 透視投影カメラモデルの仮定のもとで, カメラの外部パラメータと自然特徴点の三次元位置を毎フレームで推定する ことにより, 基準マーカが観測できないフレームにおいても, 高速かつ精度の良いカメラの外部パラメータの推定が可能である. 加えて, 自然特徴点の追跡においてロバスト推定を用いることで 自然特徴点の誤追跡を抑え, 精度の高い三次元復元を行う. また, 処理の最後に動画像全体での最適化を行うことにより, 逐次処理による推定誤差の蓄積を最小化し, 更なる復元精度の向上を図る. 実験では, 屋内および屋外の実環境を撮影した動画像を入力とした三次元復元を 行い, 提案手法の有効性を示す.