磁気共鳴弾性イメージングによる柔らかさ提示システム

佐藤 恭子 (9951048)


本研究では,医用画像の計測技術とVR技術を用いて,物体の柔らかさを,物体の物理特 性に基づいて生じる力として表現し,力覚として感じることの可能なシステムを構築 した.

本システムでは,磁気共鳴弾性イメージング(Magnetic Resonance Elastography, MRE) を用いて非侵襲な方法で取得される弾性画像から物体の弾性 及び粘性を推定し,弾性モデルを構築した.また,モデルに対して作用を施した場合に 生じる反力を力覚提示デバイスを通して表現した.

異なった硬さを示す濃度(5%,6%,7.5%,9%)のPoly Vinyl Alcohol(PVA)ゲルに対する 弾性モデルを構築し,提示される反力を比較する主観評価実験を行った. 物体の柔らかさを相対的に比較することで, MREで取得された弾性に基づいて構築された力覚の直感的な識別率を検討した. 各弾性モデルを比較した結果,平均70\%以上の識別率が得られた.

本システムにより,模擬実験の対象となる弾性体の柔らかさを力覚として把握する こと,硬さの違いを直感的に認識することが可能となった.

本発表では,システムの構成と実験結果の詳細について述べる.