コンポーネント利用情報の収集と共有によるソフトウェア開発支援

古賀 健太郎 (9951041)


既存のソフトウェア部品を再利用することによって新たなソフトウェアを開発する,コンポーネント指向ソフトウェア開発手法が注目されている.この手法は,コンポーネント同士を組合わせてソフトウェアを開発することによって,ソフトウェアの生産性・信頼性の向上,及び開発期間の短縮を可能にする.しかし,コンポーネント数が増大していくにつれ,開発に必要なコンポーネントの発見方法が,大きな問題となってくる.

本発表では,コンポーネント指向ソフトウェア開発を支援するために,開発事例である「利用情報」を収集し,利用者間で共有することによって,必要コンポーネントの早期発見と,開発時間の短縮を目指す方式を提案する.利用情報とは,開発ツールや完成したソフトウェアから収集し蓄積されたコンポーネントの接続関係や動作環境の記述である.コンポーネント利用者は,利用情報を参照することにより,必要コンポーネントを発見する手がかりとして用いることが可能であり,また有用な開発情報の獲得も可能になる.

従来の開発手法と利用情報を併用した提案手法の両手法を比較するために,コンポーネント指向ソフトウェア開発を行なうタスクを被験者に与える実験を行なった.その結果,提案手法は従来手法と比べて有意な差が認められた.