独立成分分析とアレー信号処理を統合したブラインド音源分離

川村 俊也 (9951034)


複数の音源信号が混在されて観測された場合、観測信号のみから音源信号を同定する技術をブラインド音源分離 (Blind Source Separation: BSS) と呼ぶ。 この技術により、高品質な Hands-free 通信や雑音にロバストな音声認識の実現が期待されている。 近年では、独立成分分析 (Independent Component Analysis: ICA) の観点から音源を分離する手法が多く検討されている。 しかし、音源の独立性に着目した分離手法では、非線形最適化に伴う収束性の悪化という問題があり、その問題に関する検討はまだ十分であるとはいえない。

そこで本研究では、帯域分割型 ICA とアレー信号処理の一種である死角制御型ビームフォーミングを射影反復する音源分離アルゴリズムの提案を行った。 反復学習内で自律的に ICA ・死角制御型ビームフォーミングを選択する提案法で分離実験を行った場合、無残響下では従来法に比べ 13.8 dB の改善、残響時間 150 msec の環境下では 4.6 dB の改善、残響時間 300 msec の環境下では 1.5 dB の改善が見られた。 以上より、様々な音響条件下において、アレー信号処理を統合した BSS の有効性が確認できた。