そこで本発表では、C言語の実数型変数について、必要な語長を推定する 手法について考察し、推定のための支援環境について報告する。支援環境は、 Cソースプログラムから生成したコントロール/データフローグラフの静的・ 動的な解析を行った後、推定した語長、推定前後におけるプログラム中の関数 の出力結果の差、変数の丸め誤差を設計者に示すものである。
また、この手法に従う C言語からの自動合成で要求される実数演算器 について、sin, cos, tan-1 などの初等関数を統一的に計算できるCORDIC法 に基づく回路を設計したので、これも合わせて報告する。本回路は正規化され た固定小数点部分に対して演算を行う回路で、高速化のため冗長二進演算方式を 採用している。CORDIC法に基づく回路は、東京大学 VDEC のROHM 4.5 um チッ プで実際に LSI として試作し、動作を確認している。