MR拡散テンソル画像の対称性評価

大友 敦 (9951020)


拡散テンソル画像は,体内の水分子の拡散運動をとらえることにより,脳内の白質における神経線維束の様態をあらわすことができ,{\it in vivo}での脳の解剖学的な構造と機能的特徴の関連性の解明に非常に有用である.これまで拡散テンソル画像は定性的な臨床応用がされてきたが,定量的な評価はあまり行なわれていない.ここでは定量的評価の指標のひとつとして対称性に注目する.脳画像の対称平面の検出および決定には局所的な非対称性が問題となる.本手法によれば,局所的な非対称性に関わらず大局的な対称平面を検出することができる.ここでは,3次元MR画像を用いて脳の対称平面を検出するための新しい手法を提案し,検出された対称平面をMR拡散テンソル画像に適用して,脳の神経線維束の対称性評価を行なった.