マイクロホンアレーと音源モデルの利用による実環境下音声認識

三木 一浩 (9851108)


人間は実環境において、目などの情報と同時に様々な音情報からその環境を理 解し、さらに様々な音の中から音声も聞き分けて認識を行う。 自律移動ロボットなどによる音声認識を考える場 合にも、様々な音の中から発話者を同定し、その方向から来る音声に聞き耳を立 てて認識を行なう事は重要となる。

本発表では自律移動ロボットなどと人間が実環境において音声によるコミュニ ケーションを取るときに必要となる課題として、周りの環境を理解す るための環境音の識別と、様々な音の中から音声を識別するための音声と環境音 の識別の検討を行なう。また、マイクロホンアレーとモデル適応を用いた雑音環境下 の音声認識も試みる。

92種類の環境音に対するHMMを用いた環境音認識実験の結果、 90%を越える認識性能が得られた。また、音声と環境音の識別に関しては、ほぼ 完全に識別が行えた。マイクロホンアレーとモデル適応による雑音環境下の認識 実験についても、それぞれを単独に用いた場合と比べて大きな認識率の改善が見 られた。