松川昌洋 (9851100)


計算機により仮想環境を構成することは古くから行なわれている.中でも,屋外 実環境を仮想空間へ取り込む,いわゆる実環境の仮想化は現実環境のシミュレー ションを行なえる点からも需要が高い.しかしながら,写実性という点からは精 度の高い現実空間の情報が必要となり,仮想空間へ取り込む段階では多くの人手 が必要となる. そこで本論文では,ポリゴンベースでのモデリング手法を用いて,実環境の再構 成を自動で行なうことを考える.入力は一般ステレオ撮像系を構成するための複 数のカメラ画像と,汎地球測位システムから求めた撮影位置及び三軸角度センサ により求めたカメラの姿勢情報を用いる.それらの情報により,エピポーラ線の 平行化を行ない,ステレオ法により奥行きを求める.撮影した各視点に対して同 様の手法を適用し,それぞれの奥行き情報及び測地情報より屋外環境の再構成を 行なう.さらに,計測機器中の誤差の影響を減らすために,推定面同士の隣接性 の制約を考慮した三次元モデルを構成する.