Diffservアーキテクチャにおける多方向フローの総合的優先制御手法の提案

馬場章夫(9851085)


現在,インターネットにおける優先制御を実現するアーキテクチャとして Diffserv機構が研究されている.しかし現在提案されているDiffserv機構では, ビデオ会議システムのような多点間で相互にトラヒックが発生する アプリケーションに対して望まれるような総合的なトラヒックの制御ができない. 本論文では,Diffserv機構において複数のトラヒックを 総合的に制御する手法を提案する.本手法では,複数のルータにおいて計測された トラヒック量を互いに通知し,それをもとに総合的な優先制御を実現する. さらに,総合的なトラヒック制御を行う際のマーキングにおける戦略について探る. 本手法の有効性を確認するためにネットワークシミュレータns-2を用いて実験を行い, 評価する.その結果,本手法により異なる方面のトラヒックの一括した 制御が実現できることを確認した. また,総合的なトラヒック制御を行う際のマーキング戦略についていくつか 実験を行い,その結果について考察を行った.