脳波データを用いたユーザビリティテスティングの評価

中西正洋 (9851077)


本論文では,ソフトウェアのユーザビリティテスティングのため,モニタリング においてユーザの脳波を用いる手法の評価実験について述べる.

モニタリングで は,ソフトウェアを使用しているユーザの様子や操作画面をビデオレコーダで記 録する実験を行った後,それらの映像を評価者が解析し,ユーザが使いにくいと 感じている部分を発見する.しかし,ユーザの感情を判断するために映像を詳細 に観察するので解析時間が長くなるという問題がある.

これを解決するため,ユーザの感情を脳波より判断する手法が提案されている. 実験中にユーザが使いにくいと感じている場面は限られているため,その場面を 脳波により判断することで解析時間を削減できる. しかし,本手法の有効性につ いては,まだ十分な評価がされているとはいえない.

そこで,本研究では,本手法により削減できる解析時間を評価する実験を行っ た.その結果,全体の73%の解析時間を削減した場合,ユーザが使いにくいと感 じている場面の約80%を検出できることを確認した.また,感情の変化が脳波に 反映されることを確認するためにt検定を行った結果,5人中4人に有意な変化が 確認された.