本発表では、連続混合HMMの局所最適解からの脱出法として、階層的併合分割型EM(H-SMEM)アルゴリズムを新たに提案する。本手法は、連続混合HMMの状態と分布を階層的に同時併合分割(追加削除)することにより、HMMの持つ状態や分布の不均衡配置を解消し、最良なモデルパラメータを推定する。
また、提案法の有効性を実証するため、人工データとジェスチャデータによる実験を行った。人工データによるパラメータ推定では、従来法に比べ平均で15%対数尤度が上昇した。また、ジェスチャ認識では、従来法に比べ訓練データに対して最大で約2.5%、テストデータに対して最大で約4%認識率が向上した。いずれの実験においても、従来法を上回る良好な結果を得ることができた。