アドホックネットワークにおけるクラスタ構成法に関する研究

谷口 博人 (9851066)


本論文では,移動端末だけからなる分散移動システムである アドホックネットワーク上でのクラスタ構成法を考察する. クラスタ構成法とは,ネットワーク上の全ノードを クラスタヘッドとそれと直接通信可能なノードである クラスタメンバからなるクラスタに分割することである.

分散移動システムの問題として,端末の移動や,トポロジーの変化に伴う オーバヘッドを考慮しなければならない. クラスタ構成は,無線チャネルの帯域幅の空間再利用ができる. また,ネットワークを構築的に管理できるなどの利点がある.

本論文では,アドホックネットワーク上にクラスタを構成する クラスタ構成法および,移動端末の移動などによりトポロジーが 変化した場合に対応するクラスタ再構成法を提案する.

提案手法は,クラスタ構成法,クラスタ再構成法ともに 従来手法に比べ,クラスタ数が少ない, またクラスタヘッドの変更数が少ないことをシミュレーション実験で示す. クラスタ構成法では, 集中型,分散型それぞれに関してシミュレーション実験を行う. クラスタ再構成法では,分散型でシミュレーション実験を行う.