移植性を考慮したJava言語のネイティブ実行環境

竹内 康茂 (9851062)


元来,Java言語は中間表現のインタプリタによる逐次実行を意図して設計された が,実行環境の条件によっては,中間表現中の一定部分を実行直前に,あるいは 実行開始時以前に中間表現の全体を機械語コードに変換する形態が望ましい場合 もある.

本研究では後者の実現方法のひとつとして,Javaコンパイラが外部に出力す る中間言語(バイトコード)を,広範な環境にすでに移植されている別のプログラ ミング言語解釈系が解釈可能な別の中間表現に変換することで,バイトコード 実行段階での高い移植性を維持したままネイティブ実行環境を構築する方法を提 案し実装を行なったのち,実際に複数のプラットフォーム上に移植し動作を確認 した.

さらに,本実装が生成する機械語コードの実行性能を異なる性質のバイ トコードについて評価し,また他の解釈形態による実行性能と比較することで, 本実装で選択した解釈実行形態の持つ特質について考察を行なった.