ユーザタスクの形式的記述に基づくインタラクティブシステム設計法

地平 稔 (9851049)


現在アプリケーション開発工程において,ユーザインタフェース部分の開発の 占める割合が大きくなっている. そのようなインタラクティブシステムの開発のためのさまざまな設計技法が提案 されている. しかし,従来の設計アプローチには, 断片的で設計方法論として体系化されていな い, 設計法として全体の整合性がないなどの問題がある.

著者らは,設計の上流工程から適用できる,体系化されたインタラクティブ システムの設計法の研究を行っている. この設計法では,ユーザタスクの形式的記述を一連の設計プロセスへの入力とする. そして,前段階の仕様を満たすような変換に基づいて詳細化する. 仕様に現れるイベントをユーザが行うものとシステムが行うものに分類し, それらが使うユーザインタフェース部品などを指定することで,プロトタイプを 自動生成する. ユーザタスクの記述にはタスク図という形式的記述言語を用いる.

本研究では, 各タスクにおける入出力データや使用するユーザインタフェース部 品を記述できるようにタスク図を拡張した. またプロトタイプ生成アルゴリズムを開発し, プロトタイプ自動生成システムの 実装も行った. これにより, 本設計法を実際にプロトタイプが生成できるものにした.

本発表では, タスク図の記述法やプロトタイプ生成法について詳しく説明する.