スパイク系列に依存した時間遅れのヘブ型学習とその情報処理
欅谷 大 (9851035)
近年、脳内ニューロンにおける発火のタイミングによる情報処理が注目されており、
例えば同期発火による情報処理が検討されている。
このようなスパイクの発生、到達のタイミングが情報処理
に関わっている場合、ネットワークを伝わるスパイクの伝達時間、すなわち時間遅
れを変化させることでネットワークの学習が可能であると考えられている。
本論ではすでに提案されている時間遅れの学習アルゴリズムの問題点を
指摘し、より生理学的に妥当な時間遅れの学習アルゴリズムを提案する。
さらに、その学習則をもちいて
ネットワークの同期発火を実現できることをシミュレーションにより示す。
このことにより、実際の脳神経系でも時間遅れの学習が
行われている可能性が示唆される。