脳波を用いた思考状態推定モデルの構築法

黒崎 章 (9851034)


複雑に発達した社会の中では、人間が高度な知識や経験や活かして行わなければならない作業が数多くある。そのような作業に対して、人の論理的な思考を支援するシステムの開発が求められている。支援システムを開発するためには、人間の心理状態を知ることが有効である。そこで本研究では、人間の思考状態を3つの基本モードで定義し、 数学問題解答時とプラント運転訓練中の脳波データから、各モードのレベルを計測することを試みた。

初めに、人間の論理的思考状態を3つの基本モードに分類した。次に、数学問題解答実験とプラント運転訓練実験を行い、収集した脳波データを用いて思考状態を推定するモデルを構築した。さらに構築したモデルの評価実験を行った結果、思考状態推定モデルの出力は、観察データに良く一致した。すなわち、脳波から論知的思考状態を推定することが可能であることが分かった。 また、数学問題解答実験と運転訓練実験の2つの実験を通じて作成した各モデルの差違や、モデルの汎用性についても考察を行った。