視線とマウスの併用によるドラッグ&ドロップ方式
神代知範 (9851032)
従来,両手が使えない状況を想定し,マウスやキーボードの代わりに視線を
用いて計算機への入力を行うインタフェース(視線インタフェース)が研究
されてきた.
本研究では,両手が使える状況において,視線の移動が高速であることを
積極的に利用し,MS-Windowsなどの一般的なGUIの操作を効率的に行う
視線インタフェースの実現を目的とする.
対象とするGUI操作には,日常的に行われる操作の一つである
「ドラッグ&ドロップ操作」を選んだ.
提案方式では,ドラッグ&ドロップに含まれる操作を「(1)選択対象である
アイコン付近への大まかなカーソルの移動」,「(2)アイコンへのカーソル
位置の微調整」,「(3)アイコン選択の確定操作」の3つの基本操作に分け,
(1)には視線を,(2)及び(3)にはマウスを用いる.
微調整の具体的な方法としてはAuto,Manual,SemiAutoの3つの方式を考案した.
一般的なGUIと同じアイコンの大きさや間隔等の条件下で
提案方式の有効性を評価したところ,SemiAuto方式は従来のマウスだけの
操作方式と同じくらいミスが少ない上,より高速であることが分かった.
特に,マウス操作に不慣れな初心者の場合にはSemiAuto方式は
従来の方式よりミスも少なく有効であることが分かった.