ルータの主な役割であり、負荷の原因となっているのは、IP フォワーディング処理である。 本研究では、IP フォワーディング処理に必要な経路検索に注目した。 4.4 BSD で用いられている Radix Tree は、ネットワークプロトコルに依存しない経路検索機構である。 しかし、汎用であるために IP の経路検索には不要である機能を持つ。 Radix Tree の検索処理で発生するバックトラックは、検索時間を長くする要因となる。
本論文では IP の経路検索に特化することで、より短時間で経路検索が可能な経路検索機構を提案する。 IP の経路検索は、$ 2^{32} $ 通りの宛先から1つの送り先を決定する。 そのため、$ 2^{8} $ のエントリーを持つテーブルを4段組み合わせれば、これから経路を検索することができる。 これにより、記憶領域の使用効率が低下するが、検索時間の短縮化が図れる。 この経路検索機構の仕組みについて説明し、評価を行う。