全方位ステレオ画像センサによる
実環境の仮想環境への取り込み
戎野 聡一(9851014)
6角錐ミラーを用いた全方位ステレオ画像センサは, (1)周囲の情景を高分解能で撮像可能,
(2)光学特性が1点透視投影, (3)動的な環境全体をビデオレートで撮像可能,
(4)全周囲の奥行き情報を取得可能という特徴を持つ.
そのため都市空間等の大規模かつ複雑な実験環境の映像を扱うのに適している.
本センサは, 高分解能な全周画像を取得する目的で複数のカメラの画像を連結して全周画像を生成している.
そのため, センサのキャリブレーションの精度がよくなければ,
生成した全周画像は, 隣り合うカメラ画像の境界付近で不連続が発生する,
2つのカメラ画像でエピポーラ線が一致しないといった問題のために, 正確な距離推定が行なえない
などの問題がある.
本研究では, 大型円筒スクリーンを使ってセンサを精度よくキャリブレーションし,
センサ周囲を撮像して得られた2枚の全周パノラマ画像からステレオ法により
奥行きを推定する手法を提案する.
また, より大規模な屋外環境の仮想化を目指すために,
2つのカメラ間のステレオ視だけでなくセンサ周囲の情景に存在する特徴点を追跡するモーションステレオ
を行なうことで,
より正確に屋外構造物を仮想環境内に取り込む手法を提案する.