インターリーブを用いたバースト誤り訂正アルゴリズムの改良とその評価

石田 敏行 (9851005)


高信頼性通信を達成するためには, 通信路上で発生する誤りを受信側で検出し, 訂正を行う必要がある. それを実現する技術の一つに誤り制御技術がある.

近年普及が著しい携帯電話などの移動通信システムなどではフェージング(減衰)などにより, 一部分に集中した誤りが発生する. このような誤りをバースト誤りという. バースト誤りを 効率良く訂正する手法として, インターリーブ法がある. インターリーブ法は特定の誤り訂正符号に依存した方法ではなく, 比較的簡単な手法で バースト誤りに対処するアプローチである. 従来のインターリーブ法では送信側は 複数の送信符号語内の記号に対してある置換を行い, 送信する. 受信側では受信系列に対して, 送信側の置換に対する逆置換を施す. その後に各受信語に対して復号を行う. 記憶のある通信路上で発生したバースト誤りは, 逆置換操作により各受信符号語に分散され, 疑似的にランダム誤りに変換できるため, 効率良く誤り訂正を行うことが可能である.

しかしバースト誤りを疑似的にランダム誤りに変換するだけでは, 通信路のもつ特性を十分 に活用しているとは言い難い. 従ってバースト誤りの特性を生かした復号を行うべきであると考えられる. 本研究では, バースト誤り通信路の通信路特性, すなわち, バースト誤りの発生に関する 事前情報としてある受信系列を復号して得られるエラーパターンを利用し, よりバースト 誤り訂正に適した復号を行うことを目標とし,

の3通りの復号法を提案し, 誤り制御特性を評価する.