ソナー情報を用いて経路生成を行うための幾何学手法に関する研究

石井 卓良 (9851004)


本研究では、幾何学的手法を用いて実世界エージェントの測定データを元に 環境認識を行う手法を提案する。
すでに、ソナー等の測定データを用いて地図を復元するような研究や、 測定済のグリッドマップから経路を作成する研究は行なわれているが エンコーダのエラー処理を行なうためには、数回の試行を要するため、 災害現場のような環境には不向きである。
提案手法では、曲がり角や分岐点をノードとして通路をアークとする トポロジカルマップを幾何学的手法を用いて生成する。 まず、実世界エージェントのソナーを用いて測定した点群を元に、 ソナー特有のノイズを除去し、点群をB-Spline曲線へ変換する。さらに 曲線同士を連結することにより、多角形を生成し、生成した 多角形をDelaunay3角形分割し、3角形の各辺をルールに従って 連結することにより経路を発見し、エージェントの環境認識に用いる。
作成された経路図を用いることによって、実環境中にマーカ等を 付けることなく、分岐点や曲がり角等の特徴的な部分を認識する ことが可能となり、その特徴部分をノードとし連結している経路をアークと するトポロジカルマップを作成する事により、 複数ロボット間での環境情報の共有や、人間による実世界エージェントへの 指示の補助等に役立てることができる。