情報共有が可能な装着型強調現実感システムの構築

米村 隆 (975119)


強調現実感(Augmented Reality:AR)はコンピュータで生成した仮想環境を実環境に融合することによって情報を付加し,実環境の情報量を増大させる技術である. 現在,このAR技術は医療,情報,建築,アミューズメントなど,様々な分野で盛んに研究が行なわれているが,特にWearable Computerを用いた装着型ARシステムは利用したままユーザが屋内外を歩き回ることができるため,移動を伴う作業の支援,美術館のガイドなど幅広い応用が見込まれ,実用化への期待が大きい.

しかしながら,現在報告されている装着型のARシステムの多くは一人で単独に使用することを前提に考えられている. そのため,将来的に装着型のARシステムが普及し,ユーザが複数人になった場合,情報共有を考慮していないこれらのシステムでは予期していない問題が生じる.

そこで,本研究ではこの問題点を解決すると共に,今まであまり考えられていなかったシステムを装着しているユーザ間でのコミュニケーションを行うことができる情報共有が可能な装着型ARシステムの構築を行う.