広域無線通信メディア利用時のゲートウェイ協調によるTCPの性能改善

山本 一隆(9751112)


携帯電話やPHSなどの広域無線通信メディアを利用してインターネットに接続を行う場合、無線状況によるRTTの揺らぎ、データリンク層とトランスポート層でのデータの信頼性保証の重なり等の影響により、データの転送効率が著しく低下するという問題がある。

本稿では、ゲートウェイ協調により、広域無線通信メディア利用時のTCPの性能を向上させることを提案する。協調ゲートウェイはTCPコネクション上で、データの信頼性を保証するリンク層と保証しないリンク層の間に介在し、受信ウインドウを考慮したACKの生成を行うことによって、送信側のデータ転送をコントロールする。これにより無線状況悪化時のデータの転送効率の低下を防ぐことが可能となる。実験の結果、無線状況悪化時のデータ転送速度の改善が確認された。