1998年3月より兵庫県において,通信・放送機構によるCATVインターコネクトプ ロジェクトの実験ネットワークが稼働した.このプロジェクトでは,神戸市・ 西宮市・尼崎市に位置する3つのCATV局がATM網で相互に接続される.各CATV局は 映像をMPEG2方式でエンコードし,ATM網を介して他局に配信する.AMTスイッチ 間のトラヒックを減少させるために,MPEG2のセルは,ATMスイッチのマルチキャ スト機能に従ってコピーされて目的局に送られる.一方,CATV網では,加入者宅 からケーブルモデムを介してインターネット通信が行なわれ,ATM網内でMPEG2の データとともに多重化される.このCATVとインターネットがATMを介して統合さ れたネットワークにおいて,送信される映像の品質を一定の水準に保ち続けるこ とが重要な問題となる.リアルタイム性が重要視される映像データの品質尺度の 一つにジッタがある. ジッタ評価のためのシミュレーションモデルを構築するためには実システムにお けるセルストリームの特性を把握することが重要である. 本研究では実ネットワークのセルストリーム特性を自己相似性の観点から明らか にする.その結果を基にシミュレーションモデルを構築し,そこで得られるセル ストリーム特性と実システムの特性とを比較してシミュレーションモデルの妥当 性を検証する.