強調現実感を応用した考古遺跡計測システム

松橋 英幸 (9751099)


近年、考古学会においては緊急発掘の件数が増え続け、効率の良い発掘手法とその結果の公開手法が模索されている。そこで、発掘で最も手間のかかる測量の効率化を図り、それと同時に測量結果をインターネットで公開することの出来るシステムを開発した。

通常の測量で用いられている光波測定器にPCを接続し、データの取得作業はウエアラブルにしたクライアントから遠隔操作で行う。取得したデータをVRMLフォーマットに変換し、クライアントに接続されたオプティカルシースルー型HMDに表示されるようにすることで遺跡を俯瞰する。表示されるVRMLファイルは、光波測定器に取り付けられたカメラ からの画像と重畳表示されるため、実対象との位置の関連を見ながら逐次測量を行うことが可能となった。

本システムを利用することによって、従来の方法より大幅な作業時間の短縮と正確な測量が可能になった。また、VRMLフォーマットに出力することにより、プラットホームを問わずにインターネットを通じて発掘結果を公表することが可能になった。