T/TCPの性能評価とWWWへの適用

星井 克也 (9751095)


WWW(World Wide Web)アプリケーションのトランスポート層プロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)が使われている。 しかしながらTCPではWWWのデータの通信量に対してコネクションのオープンやクローズに伴う制御パケットの割合が高く通信効率が悪くなることが指摘されている。 T/TCP(TCP for Transaction)はTCPの拡張プロトコルで、ホスト毎のコネクションの情報をキャッシングすることでコネクションのオープンやクローズにかかる手順を省略することが可能になっている。

しかしながらT/TCPの問題点としてAPI(Application Program Interface)の使いづらさが挙げられる。 現在UNIXにおける実装ではT/TCPで通信を行うためにはシステムコールとしてsendto()を使わなければいけない。このため高水準出力関数での使用は不可能であり、このことはT/TCPの普及の妨げの要因となっている。 よって本研究ではT/TCPのAPIの改良を行いアプリケーションプログラマーにとって使いやすいT/TCPの環境を提供する。 また、WWWトラヒックの実測によってT/TCPの性能評価を行い、WWWアプリケーションにおけるT/TCPの優位性を実証する。