心理音響モデルに基づくオーディオ信号への電子透かしの研究

中山 彰 (9751078)


本発表では、MPEG心理音響モデルを利用したオーディオ信号への電子透かし方 法について述べる。電子透かしは、聴覚的に聴こえないということが重要であ る。それを考慮した透かしアルゴリズムとして、Laurenceらの提案するMPEG心 理音響モデルを用いた電子透かし方法がある。この方法は、MPEG心理音響モデ ルを用いて、マスキングレベルを計算し、そのマスキングレベル以下になるよ うに透かしを埋め込むことを主なアイデアとしている。 ただこの方法は、MPEG符号化に対して弱い、同期検出の手段がない、また透か し検出に透かしを入れる前の信号を必要とするなどのいくつかの改良すべき点 がある。

そこで、まずMPEG符号化に対して電子透かしの耐性を高めるためにいくつかの 改良を行ない、また心理音響実験の知見を用いて継時マスキングを導入した。 これらの改良により、MPEG符号化に対してロバストな透かしが実現できた。 次にDA/AD変換・クロッピング攻撃に対する耐性のため、白色化相互相関法を 用い、同期検出を実現した。これによりDA/AD変換に耐性をもつ透かしが実現 できた。

また受けとった信号のみから透かしを検出する方法についても考察し、有効 な検出方法を提案する。

さらに、主観評価実験の結果を示し、透かしを埋め込んだことによる品質の劣化 は少ないことを示す