検索目的を反映したカテゴリ構造に基づくWWW検索支援方法
仲川 こころ (9751072)
WWW(World Wide Web)サービスの利用は近年急速に広まり,
提供される情報は1日150万ページという規模で増加していると言われる.
それに伴い,より早く簡単に必要な情報を探し出すためのサービスが,
多くのWWW利用者にとって必要不可欠となってきている.
特にWWW上での検索は幅広いユーザに必要とされるため,
専門的な知識や技術を必要としない,簡単で使いやすいものであることが求められる.
現在提供されているWWW検索サービスには
キーワード検索型とディレクトリ型の2種類がある.
それぞれ以下のような問題があり,
検索作業に詳しくない一般的なユーザにとって
目的の情報を手に入れることが困難な場合が生じる.
- 精度の良い検索結果を得るためのキーワードや検索式を書くことが難しい.
- ディレクトリサービスの提供する分類体系(カテゴリ構造)は,
巨大すぎる.
- ユーザの考える情報の分類方法は様々であり,
1つの固定的なカテゴリ構造ですべての要求に答えることは出来ない.
本研究は,ユーザがより自然で簡単な方法で精度の良い検索を行えるような,
使いやすいWWW検索システムの提供を目的にしている.
上に挙げた問題点を検討し,
以下のような特徴を持つ新しいWWW検索の支援方法を提案する.
- 検索のたびに,
その時ユーザが考えている検索目的に合わせたカテゴリ構造を構築し,
提供する.
- カテゴリ構造に含まれる文書は,
検索目的を大雑把に反映するようなものに限る.
これにより小規模で扱いやすいカテゴリ構造を提供する.
- システムには予め『分類観点』という分類のための知識を用意し,
これを用いてカテゴリ構造を構築する,
発表では提案手法について,
まず下図に示すような書類棚の例えを用いた概念的な説明を行い,
次により詳細な手順について述べる.
また,提案手法に基づいて試作されたシステムを用いて行った
評価実験の結果について報告する.