分散移動システムにおける全域チェックポイントに関する研究

寺田 雅人 (9751068)


移動計算機と,移動支援局と呼ばれる固定計算機を含むネットワークシステム を分散移動システムという.本研究は,分散移動システム上の分散プロトコル について考察する.一般に分散移動システム上の分散プロトコルは以下の点を 考慮する必要がある.

1.固定計算機数に比べて移動計算機数がはるかに大きいた め,プロトコルの計算量が移動計算機数に依存しないこと.
2.移動計算機は固定計算機に比べて計算能力,通信能力の 点で劣っているため,移動計算機の負担する計算/通信の割合が固定計算機よ り小さくすること.
3.移動計算機のハンドオフが頻繁に発生すると考えられる ため,ハンドオフへ対処する際の特別な処理ができるだけ少なくすること.
分散システム中の各プロセスの状態を安定記憶に保存したものを局所チェック ポイントという.全プロセスの局所チェックポイントからなる一貫性のある全 域チェックポイントは,故障発生時のロールバックなどに用いられる.本研究 は,分散移動システム上で,各局所チェックポイントに対し一貫性のある全域 チェックポイントの存在を保証するプロトコルを提案する.提案するプロトコ ルでは移動計算機と移動支援局の階層構造に着目し,通信情報サイズが移動支 援局数にのみ依存する.またハンドオフ時に必ず局所チェックポイントを取る 既存のプロトコルと比べて,移動計算機が頻繁に移動する分散移動システムで 効率的に動作する.

本発表では,まず分散移動システムと一貫性のある全域チェックポイントを説 明する.さらに本研究で提案する全域チェックポイントプロトコルについて説 明する.提案する全域チェックポイントプロトコルは既存のプロトコルを改良 したものである.評価として,提案手法と既存のプロトコルに関してシミュレー ションにより各計算機の取るチェックポイント総数の比較についても報告する.