組み込みシステム向けオペレーティングシステムの設計と実装

田中義照(9751067)


従来、組み込みシステムには、センサ、アクチュエータ、タイマ等を直接制御 するようなハードウェアに特化した 組み込みプログラムが製作され搭載され ていた。このような組み込みプログラムの生産性、再利用性は低く、そのため にITRONに代表される組み込みシステム向けOSが開発導入されるに至った。 しかしながら、これらの組み込みシステム向けOSもハードウェアに特化して 作られることが多く、OSそのものの移植性は必ずしも高くない。 本論文では、組み込み向けOSをシステム機能に 細分化し、これらシステム機 能間のインターフェースを定め、ハードウェアに応じてこれらのシステム機能 を柔軟に組み換えられるOSを設計し、実装する。これにより、組み込みシステ ム向けOSの移植性を向上させることができる。 実装した結果、各システム機能は正しく動作し、また使用するメモリも少な く抑えて実装することもできている。また、システム機能を分割しているため、 ハードウェアに適したシステム機能の実装法を選択するか、またはインター フェースに沿って構築し追加することで、新しいシステムに要求される性能に も容易に応えることができるものであると考えている。