題目

定政 憲司 (9751049)


近年,複雑な三次元物体や環境を表現するために実画像を用いる, イメージベースレンダリング(Image-Based Rendering,IBR) と呼ばれる手法が提案されている.

IBRとは,様々な視点から撮影した実画像(多視点画像群 Multi-Viewpoint Data Set,MVDS)を蓄積しておき,要望に応じて適切 な画像を読み出すことで3次元物体を表現するものである. IBRにおいては,視点変化による物体の見え方だけでなく、照明条件の影響に よる物体の光沢感の表現も重要な要素となる。 照明等の光の情報を考慮するためには、様々な光源位置から撮影 した実画像(多光源画像 Multi-Lightsource Data Set,MLDS)を用いる。 さらに、MVDS,MLDSは3次元形状情報を持たないため、MVDS,MLDSで表現された 仮想物体を直接、幾何学情報に基づいた仮想空間内で操作することはで きない。すなわち、VR空間内に仮想物体、光源を配置させたとしても、 その影を描画することはできない。

そこで、本論文ではIBRを用いて複雑なオブジェクトの影を表 現する手法について提案する。 また、本手法を用いたアプリケーションとして、実照明を認識し、それにし たがって影と光沢感の表現が可能なCG画像生成システムを構築した。