仮想環境没入型モデラにおけるアニメーション記述手法の提案と実装

財満 博昭 (9751048)


計算機上で3次元アニメーションを記述する場合, 従来は,特殊な言語によって記述する手法や 2次元インタフェースを用いるため,操作が煩雑で分かりにくい という問題があった.そこで本研究では, 直感的な3次元形状生成が可能な仮想環境没入型モデラにおいて, アニメーションを記述する場合に必要とされる機能について考察し, 対話的にアニメーションを記述する手法を提案する. ここでいうアニメーションとは, 恒常的に動き続ける静的アニメーションや, ユーザのアクションに応答して起動される対話的アニメーションを含む.

本手法では,アニメーションの振舞い方やスピードなどの 属性を,その属性の性質を示す形を 持ったプリミティブ(アニメーションプリミティブ)として提供する. また,対話的アニメーションの記述に欠かせないアニメーションの 起動条件などの属性についても,その属性を持った プリミティブ(イベントプリミティブ)を提供する. 本手法の特長は次の3点である: 1)アニメーションの属性がプリミティブの形から直感的に把握できる, 2)プリミティブを直接操作し,対話的にその属性を変更できる, 3)仮想物体のアニメーション記述は,仮想物体と プリミティブの簡単な組み合わせ操作で実現でき, 複雑な操作の習熟を必要としない. 本研究では, 提案手法について詳しく述べた後,その提案手法を実装した 試作システムを通して提案手法の有効性を考察する.