PPLを含め、これまでのユーザレベルスレッドライブラリは、スレッドの 生成やコンテキストスイッチをいかに高速に行うかなど、性能の向上に 着目して開発されていた。これに対して研究では、 スレッドを使用するアプリケーションが多くなるにつれ、既存の スレッドのスケジューリングポリシだけでは効率の良いスレッド スケジューリングができない場合が発生することに注目し、アプリケーション に最適なスケジューリングポリシはそのアプリケーションの作成者が 一番知っているという立場に立ち、アプリケーションレベルでの 柔軟なスケジューラを作成できるようにすることが重要であると考えた。 本発表では、アプリケーションレベルで複数のスケジューリングポリシを 柔軟に扱える機構を提案し、その機構を実装したPPLの概要を示し、 評価を行う。