マルチプロセッサを用いた組み込み向けOSの実装

川口 浩(9751035)


カーネル機能を細分化し,システムに応じて柔軟に組み替え可能にすることで,多 様な組み込みシステムに柔軟に対応できる組み込みシステム向けOS R3を提案し, 実装する.またこれを共有 メモリ型マルチプロセッサシステムに対応させたR3+mの実装を行なう.マルチプロ セッサ化にあたり考慮したことは, (1)OS内部コードのコントロール並列化,(2)割り込みの分散処理によるプロセッサ 資源の有効利用とタスクの時間的制約の保護,(3)マルチプロセッサに対応したリ アルタイムスケジューラの提供,である.

(1)は独立性の高いモジュール群で構成されるR3を,わずかに変更だけで 達成される.(2)は,受けとった割り込みを他のプロセッサへと転送するためのプ ロセッサ間割り込みを実装することで達成する.転送先プロセッサの決定には,実 行中タスクの優先度とその時間的制約を利用する.(2)における時間的制約の利用 および(3)を達成するために,時間的制約を持つタスクを他のタスクから分離して 管理し,タスクの時間的制約 を容易に知ることができるリアルタイムスケジューリングアルゴリズムを実装した.

R3+mをIntel Multiprocessor Specification準拠のPC上に実装し, 本発表ではR3の概要を説明し,マルチプロセッサ版R3+mの実現方法を述べる. さらに,リアル タイムスケジューラの性能評価について述べる.