このような3次元仮想空間を複数のユーザで共有する場合には、互いの存在を認識し合うために、ユーザ間でさまざまな種類のデータをやり取りする必要がある。 ユーザ間でのインタラクションを滑らかに行うためには、リアルタイムにデータをやり取りしなければならない。< また、個々のユーザの空間データに不整合が生じないようにするためにはデータ配送に信頼性が必要となってくるが、3次元仮想空間の共有をインターネット上で行う場合、データ配送のリアルタイム性と信頼性を同時に実現するのは困難である。
本研究では、信頼性を考慮したサーバ・クライアント方式とリアルタイム性を考慮したマルチキャスト方式の2つのデータ配送方式を利用し、データの種類、ユーザの位置、サーバの負荷等に応じて配送方式を動的に選択し、ユーザ間の滑らかなインタラクションと3次元仮想空間の整合性を実現する手法を提案する。