A Suboptimum Decoding Algorithm Based on RMLD
(再帰的最尤復号法に基づく準最尤復号法)

河西 英司 (9751029)


次世代の衛星通信においては, 高速性および高信頼性がますます 要求される. 高信頼性を実現する最尤復号のアルゴリズムとして, 従来の ビタビアルゴリズムよりも効率的な再帰的最尤復号(RMLD)アルゴリズム が提案されている. RMLDは並列処理やパイプライン処理に適しており, 最尤復号法 としては非常に効率が良いが, リアルタイム性の高いアプリケーション などでは, 誤り率を多少犠牲にしてでも高速性が要求される場合がある.

本論文では, RMLDに基づく準最尤復号法を提案する. 提案アルゴリズムは, RMLDにおける比較的重要度の低い計算を省略する ことにより, 計算量の削減を行うものである. もし計算の省略が適切であれば, 誤り率をあまり悪化させずに 計算量を削減することができると考えられる. そこで, 提案アルゴリズムを用いたときのブロック誤り率と計算量 について, 計算機シミュレーションにより評価を行った. その結果, 提案アルゴリズムによって, 誤り率をあまり悪化させずに 計算量を削減できることが明らかになった.