クラス図を用いた設計過程の特徴抽出に関する研究

大塚 豊 (9751020)


ソフトウェア開発の設計過程の進捗をモデル化することにより,コーディング への移行に要する工数見積もりなど,より効率的にプロジェクト管理が行える ようになる.本発表では,ソフトウェア設計過程のモデル化に向けて設計過程 にどのような特徴があるのを実験を通して調査した結果を報告する.

被験者によるクラス図を用いた設計過程の実験を実施した. 解析にあたって,成長モデルと一般に呼ばれている数学的モデルにより,設計 作業時間と累積作業数,オブジェクト数の関係を表す.設計作業は複雑で,単 純な曲線で表現るには限界がある.そこで,設計過程をフェーズに分割し,各 フェーズに対してモデルを適用することにより,設計過程の累積作業数やオブ ジェクト数の変化をより的確に表現しようとする.

特に,フェーズの分割に際し,設計作業内容に注目する.そして,設計作業内 容とい視点でオブジェクト指向設計過程の特徴を抽出する.設計作業に対する 二つの視点「ノード vs.エッジ」,「作成 vs.修正」から,設計過程の各時 点におけるおおよその作業内容を表す``アクションモード''を定義する.被験 者の基本操作を表す``プリミティブアクション''に基づいて``アクションモー ド''を判定し,このモードの変化をフェーズの切り替わりと考えた.各被験者 について,``アクションチャート''を作成し,それぞれフェーズ毎にモデルを 適用した結果と考察を述べる.