被験者によるクラス図を用いた設計過程の実験を実施した. 解析にあたって,成長モデルと一般に呼ばれている数学的モデルにより,設計 作業時間と累積作業数,オブジェクト数の関係を表す.設計作業は複雑で,単 純な曲線で表現るには限界がある.そこで,設計過程をフェーズに分割し,各 フェーズに対してモデルを適用することにより,設計過程の累積作業数やオブ ジェクト数の変化をより的確に表現しようとする.
特に,フェーズの分割に際し,設計作業内容に注目する.そして,設計作業内 容とい視点でオブジェクト指向設計過程の特徴を抽出する.設計作業に対する 二つの視点「ノード vs.エッジ」,「作成 vs.修正」から,設計過程の各時 点におけるおおよその作業内容を表す``アクションモード''を定義する.被験 者の基本操作を表す``プリミティブアクション''に基づいて``アクションモー ド''を判定し,このモードの変化をフェーズの切り替わりと考えた.各被験者 について,``アクションチャート''を作成し,それぞれフェーズ毎にモデルを 適用した結果と考察を述べる.