IPv6におけるエニーキャストの実装と評価

大江 将史 (9751018)


発表梗概

現在のインターネットにおける通信プロトコルである IPv4(Internet Protocol Version 4)は,近年の急激なインターネットの成長により,IPアドレスの枯渇,IPアドレスの枯渇という大きな問題を抱えている. そこで,IETF IPng 分科会は,これを解決するために, 次世代のインターネットプロトコルとして,IPv6(Internet Protocol Version 6)の標準化を行っている.

IPv6では,IPv4の通信方式であるユニキャストやマルチキャストに加えて, エニーキャストが新たに定義された. エニーキャストは,クライアントから最も経路的に近いサーバへの通信を実現する. しかし,エニーキャストを使うためには, 経路の変化による通信中の相手の変化が問題となる. この問題の解決策として「始点識別オプション」が提案されたが, その実装や運用は報告されていない.そこで,本論文では, 新たな解決策「通信前エコー」を提案し,両者の実装と実験を行った. その結果,両方式が問題点の解決に有効な方法であることを実証した. さらに, 両者の実験結果の比較を行い,エニーキャストを考慮した通信方式の検討を行った.