IPv6では,IPv4の通信方式であるユニキャストやマルチキャストに加えて, エニーキャストが新たに定義された. エニーキャストは,クライアントから最も経路的に近いサーバへの通信を実現する. しかし,エニーキャストを使うためには, 経路の変化による通信中の相手の変化が問題となる. この問題の解決策として「始点識別オプション」が提案されたが, その実装や運用は報告されていない.そこで,本論文では, 新たな解決策「通信前エコー」を提案し,両者の実装と実験を行った. その結果,両方式が問題点の解決に有効な方法であることを実証した. さらに, 両者の実験結果の比較を行い,エニーキャストを考慮した通信方式の検討を行った.