階層型マルチメディアデータのためのキャッシュシステムに関する研究

稲田 文武(9751013)


現在,インターネット上で広く利用されているマルチメディアデータは一般にデータ量が多く,リアルタイムに転送する場合,通信帯域を多く使用する.このため,サーバからクライアントまでの通信経路に1ヵ所でも帯域の狭い部分があり,その部分が要求された帯域以下であるとリアルタイムに転送できなくなる.

このような通信帯域の問題を解決する方法として,データの品質を落とすことで大きさを削減する方法がある.しかしこの方法では高品質なデータを転送できなくなる.また通信経路の途中にキャッシュを設ける方法も提案されているが,キャッシュの大きさが十分であるとは限らない.

これらの問題に対処するために,本研究ではリアルタイム性を必要とするアプリケーションにおけるマルチメディアデータのためのキャッシュシステムを提案する.これにより,データの重要な部分を優先的にキャッシュに蓄えることが可能となる.また本キャッシュシステムのシミュレーションを行い,評価について述べる.