本研究では提案したシステムを試作し,衛星回線を用いて実際に遠隔超音波画 像診断の実験を行った.実験は,診断側ではディスプレイ上の計測風景画像の 上に重ね合わされたCGプローブを用いて教示を行ない,計測側では,患者の上 に投影されたCGプローブをもとに超音波プローブを操作し,本システムの有効 性の検証を行なった.その結果,プローブの位置・角度情報を共有することに より,プローブの操作を円滑に教示できるようになり,超音波プローブ操作の 指示に必要な時間が短縮された.
本研究により,遠隔医療における本システムの有効性を確認することができ, あたかも専門医がその場にいるかのような高度な診断を行うことが可能になる ことが示された.