比例航法に基づく移動ロボットの誘導手法に関する報告

岩瀬 昌治 (9751014)


本報告では,移動ロボットを移動目標物体にある指定された方位から到達させるため に,比例航法に基づいて移動ロボットを誘導することを提案する. 移動ロボットの誘導に関する従来の研究の多くは, 環境が静的であることを想定している,ロボットを誘導するための経路計画に非常に時 間がかかる等の理由から,従来手法を環境の状態が時々刻々と変化する動的環 境に対して適用することが難しい. そこで本研究では,移動目標物体にある指定された方向から移動ロボットを誘導する 手法として,比例航法を利用する.本手法は,比例航法を適用する際に,目標物体 が移動速度だけでなく,ある仮想的な速度を持つことを考慮することで,移動ロボッ トをある指定された方向から目標物体に誘導する. 比例航法を利用することにより, 本手法が動的環境に対しても適用可能であり,かつロボットを誘導するための経路計 画は必要ないという利点がある. 本研究では,移動ロボットに与えるタスクとして,ロボットサッカーにおけるボール をゴールにシュートするというタスクを想定している. コンピュータシミュレーションでは,サッカーロボットがボールとゴールを結ぶ直 線上からボールに対して接近し,ボールをゴールにシュートすることに成功し, 本手法の有効性が確認できた.