強調現実感技術を用いた電子部品検査の支援環境に関する研究

和田 誠一郎 (9651126)


近年,強調現実感(AR)技術は新しいマンマシンインタフェースの手法として注 目されている.AR 技術とは,仮想現実感技術(VR)の応用技術であり,仮想世 界像と実世界像を融合し,実世界像を「強調」しようとするものである.

本研究では,AR 技術及び,画像認識を用いて電子部品検査のための卓上作業 支援システムを構築した.電子部品検査は,専門的な知識を必要とし,通常印 刷されたマニュアルを用いて作業を行う.このような作業を行う際には,様々 な問題点が生じるため作業効率が低下すると考えられる.そこで,その作業を 行う際に生じる問題点を解析,克服することで,「専門的な知識を必要としな い環境」「より簡単で,誤りのしにくい環境」を目的とした支援システムを構 築する.

本研究で構築されたシステムの有用性を確認するため,本校,像情報処理学講 座の学生20名を対象とし,評価実験を行った.評価実験として,被験者の半 数である10名に本システムを用いた環境で作業を行ってもらい,残りの10 名に通常の環境で作業を行ってもらった.評価実験を行った結果,通常の作業 を行った被験者に対して,本システムを用いた環境で作業を行った被験者の方 が,通常の環境で作業を行った被験者に対して,作業時間及び誤りの数共に上 回る結果を得ることができた.