離散直交変換を利用した三次元音場符号化の実験的検討
本田和正 (9651097)
内容梗概
三次元の音場を制御する方法の一つとして境界音場制御の原理に基
づく方法が提案されている。この音場制御手法では、多チャン
ネルの音響入出力装置を用いるのであるが、高い精度を得るためにはチャン
ネル数を多くしなければならない。それに伴う膨大な量の音圧信号の保存デー
タ、および伝送データを高能率に符号化する手法として、離散直交変換を利
用した符号化手法が提案されている。
本論文では、この符号化手法を用いた三次元音場の高能率符号化について、
その有用性を実環境での実験によって検討する。まず短時間信号の符号化か
ら精度と符号化能率の関係を示す。また直交基底の時不変性を仮定した長時
間の信号の符号化実験から、その仮定の正当性を示す。さらに、音場制御の
応用例の一つである音場再現における符号化実験を行ない、その実験結果に
ついて示す。