入出力厳密線形化不可能な非線形系の追従制御

坊農 哲也 (9651095)


システムの出力を入力が現れるまで微分した回数を相対次数と呼ぶ。非線形システムにおいて、システムが完全な相対次数を持つことは、厳密な線形化を行なうための必要条件の1つである。しかし、特定の動作点(特異点)において相対次数が定義できない系も多く存在する。このような相対次数が完全に定義できない非線形システムの制御系設計法のこれまでの研究としては近似線形化アプローチを用いた方法等\cite{Hauser}がある。しかしながらこの方法は厳密な追従が期待できない。本研究では、このような非線形システムの厳密なトラッキング問題に対し、システムの時間軸変換と座標変換により、システムを特異摂動システムへ変換し、非線形特異摂動系の理論を用いて、新しい制御系設計法を開発した。また、ボールアンドビームシステムに対して適用し、良好な結果を得た。